InterView02 Javin Mo[Milkxhake] from Hong Kong

ジェイヴィン:次にご紹介するプロジェクトは、『design 360°』です。広州の出版社が手がけており、デザインから漫画、アート、政治いろんなものを取り扱っています。

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これが2005年のときのロゴです。僕は、2009年からクリエイティブディレクターとして参加しました。参加する前の「360°」はこういう表紙とロゴです。中身は、本当に図版だけで、ほとんどテキストがありませんでした。僕がクリエイティブディレクターを担当してからは、もう少しコンテンツとして充実させたものをつくりたいと考えました。そこで、基本的なコンセプトはそのままに、いろんな角度からデザインを紹介し、コンテンツの決定も含めてディレクションを行いました。

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表紙のフォーマットも「360°」というコンセプトを生かし、3つの表紙が1つの表紙に収まっています。最初の1年間は「スタジオ」にフォーカスし特集を組み立てました。また、毎号、2種類の表紙をつくっています。

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後藤:なぜ、表紙が2種類あるのでしょうか?

ジェイヴィン:中国や香港の本屋で表紙が2種あると、それぞれの表紙でディスプレイしてもらえて、目立つからです。また消費者にどちらかを選択してもらえるような余地を残したかったからです。

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2011年は「国」にフォーカスして、特集を組みました。表紙では図版内を除いて、テキストを入れていません。その後、マンハッタンやニューヨークの都市のロゴ、ブランディングを特集しました。最新号では「360°Labo」という小冊子を挟むようになり、デザイナーとコラボレーションしてコンテンツを紹介してもらっています。最初の号には私が選ばれ、『typographics ti:』を紹介しました。

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『360°』は、北京と広州にお店も持っています。ショップのアイデンティティは、「店」という漢字や中国に昔からあるようなスタンプから着想を得て制作をしています。これは店内のアイコンとして使われています。

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ショッピングバッグや広告のポスターなどのアプリケーションのデザインも担当しています。アジアのデザインにフォーカスし、雑誌のみならず、アジアのデザイナーがつくった商品を取り扱い、販売しています。

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また、週刊誌『MILK Magazine』にコラムを隔週で連載し、いろんなデザイナーやプロジェクトを紹介しています。これまで『typographics ti:』や『SUPER:』など日本のメディアをはじめ、北京の状況を紹介しました。

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後藤:個人的に、『MILK Magazine』は日本で言う『L magazine』よりさらにファッションへ寄った雑誌の印象です。日本では、そうした雑誌でデザインが扱われることは少ないのですが、編集部からのフィードバックはどうですか?

ジェイヴィン:良いフィードバックが得られています。ポップカルチャーを扱うなかで、デザインをエデュケートできるものが入っていることが評価されているようです。