2013.1.18(Fri.)16:00-17:30
- ゲスト
- Chris Lee[Asylum] from Singapore
- 聞き手
- 後藤哲也[OOO projects/typographics ti:編集長]
原田祐馬[UMA/design farm,typographics ti:クリエイティブディレクター] - 特別出演
- Santi Lawrachawee[Practical Design Studio]from Bangkok
Javin Mo[Milkxhake]from Hong Kong
プレゼンテーション
後藤:今から紹介してもらうプレゼンでもわかると思いますが、クリスにお越しいただいた理由は、領域横断的な活動をされているということがひとつです。シンガポールに取材に行ったときにも感じたのですが、グラフィックデザインだけをやっているとか、建築、インテリアデザインだけをやっている人は少なくて、さまざまな活動をされているデザイン事務所が多いんですね。
シンガポールは、500万人の人口が淡路島に住んでいるような感じで、経済的規模もほぼ似ています。シンガポールに比べると、大阪は大きいですが、800万人くらいが住んでいる土地としては、経済状況も似ていると思います。
何か仕掛けていかないとおもしろくできないという状況ですが、クリスたちは、おもしろい活動をしていて、デザインの制作活動だけではなくて、イベントやプロジェクトも仕掛けていらっしゃいます。また、THE DESIGN SOCIETYというデザイナーのコミュニティをつくって、デザイナーの啓蒙をしているという活動も興味深いなと思って、お呼びしています。
クリス:こんにちは。ご招待ありがとうございます。日本に来るのは40回目です。あと10回くれば、50周年です(笑)。シンガポールといえば、このライオンです。これはカジノの新しいビルです。見た目も奇妙なビルだと思っています。
クリス:まず、私のバックグラウンドからご紹介します。これはグルービジョンに描いてもらった私です。
学生時代、足し算もできないくらい、私の成績は悲惨でした。いわゆる不注意な性格で、集中ができないという病気ももっていました。将来の夢はエンジニア。だけど、あの当時の男の子は、みんな将来の夢はエンジニアと決まっていたんです。でも、優秀な才能もなくて……。シンガポールには、徴兵制度がありますので、軍隊に入りました。
デザイナーとして活動をはじめたのは、そのあとからです。1995年にデザイン学校を卒業し、デザイン会社で働きはじめ、その4年後に退職・独立。そして、1999年に自身のデザイン事務所であるAsylumをスタートさせました。
Asylumとは、精神病院や隔離所を意味する言葉です。当初、Asylumは2人で、小さなオフィスからはじめました。これが当時のコンファレンスルームです。私たちが大好きなものがわかると思います。デザイン、本、音楽、お酒があります。ご存知だと思いますが、シンガポールは商業的な国です。最初は商業的な仕事がほとんどで、クライアントのほとんどは民間企業でした。ときどき、おもしろいことができるチャンスが訪れるので、そのときには、思いっきり楽しみました。
これはビューティクリニックの名刺です。ビフォーはニキビがいっぱいあります。アフターはすっきり。
シンガポールには、音楽産業がありません。なので、クリスマス用のCDカバーをデザインしてほしいと依頼を受けたときは、本当に嬉しかったですね。開けると、針と糸が入っています。そして、ご自身のメッセージをカバーにつけることができます。
シンガポールでラッキーなことは、レストランがたくさんあることです。多くのレストランの仕事がありました。これは、ホワイトラビットというレストランですが、昔の修道院、教会を改装しています。なので、できるだけファンタジーにつくりました。WEBサイトも、絵本のポップアップみたいに、ページを開くと立体的になるようデザインしました。