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InterView06 Aaron Nieh [Aaron Nieh Workshop] from Taipei

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私はパフォーマンスや演劇関係のグッズの仕事などもよくやるのですが、これは演劇のグッズです。演劇の内容が、子どもたちのお父さんが写真屋さんを開くというストーリーなので、フィルムの箱のようなイメージのパッケージをつくりました。

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なかには、上演中の写真集も入っています。ニューヨークと台北が舞台の演劇なので、古いニューヨークの写真のポスターや、脚本に興味がある人もいると思うので、脚本のテキストも、このなかに入っています。

本と一緒に、20年くらい前のセントラルパークの写真も入れているのですが、写真店がプリントを入れてくれる、紙の袋を模したものなんかもつくりましたね。

後藤:とても手が込んでいますが、こういう仕事の予算は高いのですか?

アーロン:そんなに予算はよくないけれど、実験的なことをやっている、すごく好きな劇団なので、その辺は気にせずにやっています。「Shakespeare’s Wild Sisters Group 」という劇団です。私は、CDで十分に儲けているので、大丈夫なのです(笑)。

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これも同じ劇団のフライヤーです。なるべく大きな紙に印刷するようにしていて、カフェなどでポスターとして貼ったり、持ち帰りもできるような仕様にしています。

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右側は、フランスのアビニオンフェスティバルのための特別なチケットのデザインです。

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この作品は、北京を拠点に活動する『no.223』という写真家の作品のなかに収められているものです。彼自身が、日本や北京の写真家の作品を使って、編集とデザインをしているプロジェクトがあり、そのプロジェクトのためにつくった本です。少しアンダーグラウンドで、ダークな世界観の作品なので、その雰囲気を醸し出すようなデザインにしています。世のなかにあるほとんどの写真集は、みな同じような体裁をしていているように見えるので、私は写真に合わせて、その世界観がわかるようなパッケージをつくっています。

これは、その写真集のテキストブックです。

また、メインの写真集に、好きな写真をすべて掲載することができなかったので、ほかの気に入っていた写真で小さな写真集をつくりました。それと、ポスターも2枚封入しています。彼のスタイルや世界観を表すために、すごく安い紙を使って、高級な感じを出さないようにしました。このプロジェクトは、出版社と一緒に行っています。編集とデザインだけでなく、写真家の選定や、スケジュールの進行管理も行っています。

後藤:このプロジェクトでは、どこまでの決定権があるのですか? 本を出版する時期なども決めているのですか?

アーロン:信頼を置いてもらっているので、写真家の選定はもちろん、どの写真を選ぶかも任されています。1回目の打ち合わせをした時点で、レイアウトをして、2回目の打ち合わせの時には、それを確認してもらうだけの状態にしています。そこで変更されることは滅多にないですね。こういうものが好きな人たちの感覚など、市場を理解しているといった面でも、クライアントからは信用されています。

この出版プロジェクトは、写真家のはじめての写真集を出すというコンセプトなので、同じ人のものを2度手がけたことはないです。写真家としてのキャリアを歩きはじめたばかりの人にしたら、写真集を出すのはすごくハードルが高いことなので、このプロジェクトに関しては、そういう人たちと仕事がしたい、その人たちへの支援としてやっています。

原田:マネジメントもやっているのですか? 出版の費用なども、すべて自分で集めているのですか?

アーロン:販売価格など、費用関係は出版社がすべて管理してくれています。

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仕事だけでなく、実験的な作品制作も行っています。「I see calligraphy」というプロジェクトを立ち上げ、新たにカリグラフィーそのものをつくるのではなく、カリグラフィー的な感覚を通じて作品をつくりました。カリグラフィーと言葉の関係性の表現について考えて、抽象的につくるというのがひとつのテーマになっています。

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カリグラフィーが対話しているように表現したのがこの作品です。これは本当の言語にもなり得るようにつくっています。すでに存在しているかもしれないけれど、自分たちは知らないものとしてつくりました。

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この作品の登場人物である彼女は、一体何を話しているかはわからないけれど、想像力を喚起しますよね。

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文章と文字の関係性を逆にした作品もつくりました。写真を撮るように文章を書く人もいるかもしれないし、文章を書くように写真を撮る人もいるかもしれませんよね。みんなの感覚を少しいじって、違う感覚に変える。ほかの世界には存在しているかもしれない風景や、実際にあるように見えるけれど、少し違ってみえるような風景をつくっています。とにかく、この作品づくりを楽しんでいます。

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これは現実的ではないように見えるかもしれないけれど、アシスタントと話していたら、右のノブをまわしたら、ドアが開くようなことも現実できるんじゃないかといったことも話しています。