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InterView06 Aaron Nieh [Aaron Nieh Workshop] from Taipei

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それでは、CDのデザインに話を移します。1ヶ月に、1種類から2種類、デザインをしています。まだ新人だった頃、CDのデザイン依頼が来るのが嬉しくて、どんどんやっていましたが、5年くらいすると飽きてきて(笑)、最近ではオルタナティブな歌手か、自分が好きなアーティストの仕事を中心に選んでいます。台湾でCDジャケットのデザインをしているデザイナーは、5人くらいしかいません。仕事が発注される時点で、僕のスタイルをわかって依頼してくれることが多いです。

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例えばこれは、ジャズアルバムで、『sensation』というタイトル以外、特に注文もなく、自分に任せてもらってつくった仕事です。

これはYoga Linさんの『fiction』というタイトルのアルバムです。無名の時代からすごく好きな歌手だったので、仕事が来た時はうれしかったです。これまで4作品を手がけました。

『fiction』というタイトルにちなんで、現実ではない、フィクションの世界に入り込むような仕掛けをたくさんしました。なかには、ポスターや新聞など、いろんなメディアの体裁をとったものが入っています。偽物のハンバーガーや、新聞なども入っていますが、広告や本文も偽物です。雑誌や映画のポスターも、タイトルや見出しは英語で入っていますが、本文などのテキストは、全部記号で書かれていて、読めません。

また歌詞カードも、架空のホテルの便箋をつくり、そこに歌詞を載せています。とにかく『fiction』にちなんだことを、CDのボックスのなかに詰めました。

背表紙も、アーティストの写真を2種類撮影して、違う世界観をつくっています。隕石をイメージした石の写真など、違う世界から来たものを入れたりもしています。

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同じくYoga Linさんの『PERFECT LIFE』というアルバムのパッケージです。『PERFECT LIFE』というタイトルを皮肉してとらえ、普通の生活を表すために段ボールを使っています。宅配ピザのボックスのような箱をつくり、外側にはステッカーのようなものを貼付けていて、ウォータープリントという加工をしています。ポスター自体も変形的なものでつくりました。本当に生活のなかにあるようなものを、一緒くたにしたようなポスターをつくりました。今お見せしているものは、限定版のもので、通常版も流通しています。これはファンの人向けの限定版です。

歌詞カードは、同時に写真集にもなっています。各ページにつけられたタイトルが、日常生活で行う行動になっていて、写真のディレクションもそれにちなんだものになっています。たとえば、『we build』で郊外の写真を、『we live』で生活の写真が、『we realize』でそれをかたちにするような感じで入っていて、最後にアルバムのタイトル『PERFECT LIFE』にたどりつくような仕掛けになっています。全部読み終わったら、やっとCDを手に取れる(笑)。CDを開ける行為にもちゃんと順番をつけて、その世界観に入っていくための準備となるデザインを意識しています。

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これは、ラジオ局のDJなどに送るための、サンプラーのジャケットのデザインです。DJが気に入ってくれたら、どんどん流してくれるし、ラジオで紹介してくれるのです。

後藤:これはアルバム自体もデザインしているんですか?それとも、サンプラーだけのデザインだけですか?

アーロン:もちろん、同じデザインのコンセプトのなかでつくったアルバムやシングルもあった上で、こういうサンプラーもつくっています。

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このジャケットもYoga Linさんの作品で、『感覚は間違っている』というタイトルのCDです。この作品は、台湾のベストパッケージ賞を受賞しました。

タイトルにちなんで、右側にはアーティストのポートレイト写真で静的な表現を、左側には、ノイズであるとか、爆発しているような写真を用いて動的な表現をし、その対比構図を全ページ使いました。心地の良いものだけが音楽ではないため、ノイズが必要だというメッセージを表現しています。

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これはOlivia Ongさんの、北京で初めてのアルバムのデザインです。彼女は日本でもCDを出しています。彼女にはクールなイメージがあるので、パッケージでキュートな世界観を表現し、買う人との距離を縮めるようにデザインしました。手にとってもらいやすいようにと、封筒の形にしました。