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InterView03 Santi Lawrachawee[Practical Design Studio] from Bangkok

質疑応答

後藤:アンケートを記入してもらっている間に、質問を考えてみてください。

質問者1:お話ありがとうございます。耳が優れていない方のための活動、HIVの活動、素晴らしいと思います。そういった社会活動を支えてくれる最も大きいサポーターは、バンコクの中ではどこの会社ですか?

サンティ:いろいろとあります。例えば、HIVのプロジェクトでは、ある企業のトップと会います。耳が聞こえない方のためのプロジェクトもまた別の企業です。そこで会って、デザイナーたちが企業を通してこんなことができると提案するのです。

質問者1:最初の提案はPractical Design Studioからですか? それとも企業から?

サンティ:Practical Design Studioからです。時々、企業によっては、私の名前を調べて、またほかの企業に「こんなことを提案してくれたオフィスがある」と伝えてくれて、そこから連絡が来ることもあります。

質問者1:もうひとつ質問です。見せてくれたデザインのアイデアはすべてサンティさんのものですか? それともスタッフ全員ですか? アイデアをつくる場はどうやって設けますか?

サンティ:デザインの仕事はPractical Design Studioのものですが、展示会は私の作品です。Practical Design Studioでは一人ひとりがそれぞれ仕事を持っています。みんなで取り組む仕事もあります。

後藤:人から頼まれた仕事、例えばカレンダーなどをデザインしている時、それがどんどんつまらなくなっていったとおっしゃっていましたが、そのプロセスにおいて、自分の表現をしていると思います。その中で、デザイナーとして意識していることとは、どういったことでしょうか?

また、デザインは基本的に自分の表現と言うよりも、人からきた依頼をデザインすることが多いですが、それを継続する理由、意味とはなんでしょうか?

サンティ:私は、コミュニケーションのスキルを持っています。それを自分のために使わない理由はないですし、それはほかの人に頼まれた場合もそう。もし依頼者が自分を表現してほしいと言ったらそうしますし、決まった形でこうしろと言われればその通りにします。健康について、社会問題などのテーマは、自分の表現として何かを入れるということはしません。

後藤:ふたつ目の質問です。1回目のクリスや2回目のジェイヴィンと話していて、バンコクは広告が強くて、香港、シンガポールでは広告が弱くなりデザインが強くなる。広告が強いバンコクで商業的な仕事をしないと言っていましたが、そういう意識でデザインする仲間はほかにいますか?

サンティ:現在は、社会問題のために働く企業や人が増えたように思います。社会のためになるプロジェクトも増えました。

後藤:今回のゲストのなかで、一番長いこと日本に滞在するゲストだと思うのですが、2週間ほど日本にいて、大阪や京都、東京を回り、日本のデザインを改めて見てどう思いましたか? 特に、大阪のデザインについて伺いたいです。

サンティ:私は、日本のデザインにたくさんの影響を受けました。ドラえもんのおかげで、絵をかくことが好きになりましたし、それは、藤子不二雄の美術館に行ったからです。私は、いつも日本のデザインをよく見ています。日本に来る度に感動する。ただ今回は、ただ本で見たデザインだけではなく、日常生活の中のデザインも見ることができました。日本人は、デザインと深い関係を日常においてつくっていると思う。タイでは、まだ深い関係まで至っていないので、デザイナーがもっと頑張らないといけないなと思います。

後藤:デザインと日常、暮らしみたいなものが、まだまだくっついていないと感じている。

サンティ:実はつながっているけれど、タイ人はまだそれを知らない。知ることと、感じること。それを知っていたら、デザインの境界を上手に進められると思う。

後藤:デザインの価値がもっと上がっていきますね。

サンティ:大阪についての感想です。私にとって大阪は、東京ほど高密度でもなく、しかし何もないような街でもない。先日は、中之島にある国立国際美術館に行きました。ビデオ・アートがとても良かったです。高いクオリティを持ったコレクションも見ることができた。とても良い街なのでまた来たいです。

後藤:時間もありませんが、何か質問ありますか?

質問者2:さきほど話されていた、サンティさん個人のプロジェクトもあって、スタッフの個人プロジェクトもあると言っていましたが、それは、Practical Design Studioとしてそういう仕事をしているのか、それとも自然発生的にそうなったのか、お聞きしたいです。

サンティ:決まった方針ではありませんが、みんながやりたいと思うからそういう姿勢になりました。会社で務めていたときは、任される仕事だけでつまらなくて、やりたい仕事ができなかったから、自分でこっそり受けていたんですね。それはあまり良くないと思う。それをみんなの前に出して、一緒に協力するほうが断然良い。

質問者2:個人プロジェクトの場合、Practical Design Studioとしてその人をサポートする形ですか?

サンティ:それもスタッフ個人によりけりですね。もし手伝ってほしければ、言ってくれればみんな手伝います。意見だけでも聞きに来たら答えるようにしています。

後藤:意見だけ聞いて、そのスタッフへ来た仕事のギャラがむちゃくちゃ高かったらどうしますか(笑)?

サンティ:それでもいいです(笑)。

原田:個人でインスタレーションみたいなことをやって、次に人から頼まれてインスタレーションをつくってきた、その次というのは、どんなビジョンを持っているのか聞いてみたいです。

サンティ:マガジンの仕事がしたいと思っています。本やポスターなど、もっとシンボリックなものをデザインしたい。松永真さんの展示がとても良くって、自分ももっと働かないといけないと思いました。

後藤:時間になりました。ありがとうございました。

サンティ:ありがとうございました。

編集記録
editorial studio MUESUM(多田智美/坂本美幸/島智和)、浅見旬、仲村健太郎
写真記録
Cahier (多々良直治)、入山隆一郎