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InterView03 Santi Lawrachawee[Practical Design Studio] from Bangkok

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サンティ:あるプロジェクトでは、新しい紙のコレクションをつくったので、その展示会を行いたいという依頼でした。普段はコレクション発表をデパートなどの展示場で行っており、そこで参加者にサンプルを配ります。それがもったいないかもしれないけれど、正確な方法だとそれまで私も思っていました。プロダクトを見に行くのではなく、プレゼントや食事のために行く人もいる。そこで私は意識を変えて、クライアントに紙の本当の価値を知るための方法を考えましょうと提案しました。アーティストとデザイナーが紙を使っておもしろいものをつくって見せた。

アーティストとデザイナーを4つのグループに分け、展示会を行ったんです。展示が終わったあと、このまま終わるのは少しもったいないと思い、残った予算で本をつくりました。

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60冊だけつくったので、広くは普及しませんでしたが、ドキュメントとして残すことができたのは良かったと思います。私は常にほかの人に影響を受けて、それを真似してつくることが多いのですが、これもそれのひとつ。日本の映画《ちょんまげプリン》です。誰か見たことがありますか?

一同:(笑)。

サンティ:江戸時代の侍が現在にタイムトラベルするという話です。あるお母さんと息子と一緒に住むことになります。息子はプリンが大好きで、テレビを見て、侍はプリンをつくりはじめました。最後に侍はスイーツをつくることが上手になり、江戸時代に戻る。江戸時代では、日本ではじめてプリンを発見した人となり、プリンをつくっていくというストーリーです。これを見て、プリンに憧れましたね(笑)。プリンの材料は、牛乳、砂糖、卵と、とてもシンプルです。私はデザインも同じことだと思いました。量だけではなく、少ない材料の中でもできるようにつくる。そして、質と味を保たなければならない。そして色も。それは言葉で言うよりとても難しいことです。

原田:はじめて見ましたね(笑)。

サンティ:私も、出来上がったプリンは見たことがあるけれど、つくられる行程を見るのははじめてですね。

後藤:この映画で主人公がどうやってプリンをつくっていくかを知ることができた?

サンティ:それは見てのお楽しみですが、プリンはすごく奥深い食べ物です。同時に、シンプルな構成でできている。私はそういったシンプルなものが好きです。

日本に来て、プリンの店を探しました。帰ったら、また新しいアイデアを見つけて、自分でつくろうと思っています。

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次は、展覧会のカタログです。タイトルは『Show Me Thai』です。ほかのアーティストのためにつくっていたら、自分もやってみたいと思い、実際に展示を企画しました。新聞を素材に、アルファベットに切った文字を展示しました。新聞にある内容を自分のスタイルでもう一度再構成したものです。全部で3,000kgの新聞を集めました。

後藤:どうやって集めたんですか。買ったんですか?

サンティ:工場を訪ねました。自分のカタログもつくりました。

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クライアントワークが多かったので、ようやく自分のためのカタログをつくることができました。この展示がきっかけで、この作品はほかの場所でも展示されるようになりました。

ギャラリーではなく、パブリックな場所で開催しました。自分の仕事を個人的なものではなく、より多くの人に知ってもらえるものとして、展示会場も考えたんです。

後藤:タイランド・クリエティブ&デザイン・センターも商業施設のなかに展示スペースがありますが、タイの人にとって商業施設内で展示するというのは一般的ですか?

サンティ:そうではないですね。ですが、最初の展示をしなければ見てもらえなかったと思います。友だちから「誰から資産をもらったわけではないのに、なぜやったのか」と聞かれました。自分にもわかりません。ただ、やりたいことや伝えたいことがあるから行動に移した。その成果として、この展示を見て出資が決まり、次の仕事につながりました。

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それから、もうひとつのプロジェクトとして「バンコク」のタイポグラフィを長さ18mの立体でつくり、バンコク市の中心に置きました。中は、迷路みたいに、人が入れるようになっています。バンコク市の人がもう一度バンコクに入るということがとても奇妙でおもしろい。

後藤:それは計算してのことですか?

サンティ:いいえ、していません。でもとても気に入っています。最初は壊れないかと心配したのですが、最後まで立っていました。プレゼンテーションは以上です。ありがとうございました。