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InterView01 Chris Lee[Asylum] from Singapore

さて、それでは、Asylumは何をしているのかについてご説明したいと思います。シンガポールに拠点はありますが、今では世界中にクライアントがいます。これが今のオフィスです。

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現在、全体の40%がインテリア、40%がブランディング、10%がアート、10%がデジタルコンテンツのデザインです。私たちのチームは、建築家、インテリアデザイナー、インダストリアルデザイナー、WEBデザイナーなど、さまざまな人が集まっていて、学園祭的なイメージがあります。

グラフィックデザイナー出身の僕が、空間デザインの仕事をすることになったきっかけは、空間が単に装飾されたものではないと感じていたことでした。グラフィックをしている人間だからこそ、空間について語れるのではないか、人の気持ちに感動を与えることができるのではないかと考えたんです。

次のプロジェクトを紹介します。1つ目は、ワインショプ。一般的なワインショップは、人もワインもごちゃごちゃで、最高級のワインは奥の奥に隠されています。だけど、私は、ベストなものを前に出して、みんなに見てもらえるようにするべきだと考えたんです。そこで、ワインセラーがウィンドウディスプレーになるように設計しました。そうすると、店の前を通ると、最高級のワインが見えます。また、残りのスペースはソーシャルギャザリングの社交ができるようになっています。

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このプロジェクトでは、デザインオフィスの設計を任されました。もちろん、私の出身はグラフィックなので、タイポグラフィーも重視しています。ここは、20人くらい入れるテイスティングスペースですね。

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これは上海の風景です。先日、上海に出張に行ったのですが、やはり上海のイメージは、町のあちこちをどんどん崩し、拡大していったイメージがあります。このなかで、人々は、どのように過ごしていたのかと想像して楽しんでいました。このときは、私も建設、資材に重きを置きました。これがオフィスの受付。このパイプは、2本だけ本物で、あとはフェイク。スペースのなかは、できるだけ生っぽい感じをつくりました。完全に完成させないイメージです。

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また、キャビネットについては、いろんなオフィスがあるので、国際的な町の地図をもとにデザインしました。先ほどの画面の右上に、取り壊しのアパートがありましたが、それを部屋にそのまま入れました。例えば、会議室風、キッチン風、寝室風、トイレ風など。これが、カンファレンスルーム、これがパントリーです。それぞれの部屋に、そういったテイストを残しました。

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こちらも、上海のプロジェクトです。これは、上海のJohnnie Walkerのための仕事です。古くて新しい家を拠点に、ブランドエクスプレスをしてほしいという依頼でした。そこで、まずはJohnnie Walkerのウイスキーづくりを学んでいきました。そうしていくなかで、Johnnie Walkeが中国マーケットに参入したのは、1910年とかなり歴史があることを知りました。また、Johnnie Walker の最たるものは、ブレンディングの技術です。

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まず、1階にある導入スペースです。ここでは、目に入るものすべてがウイスキーの素材になっています。これが、スモーキーをつくります。また、これらが蒸留過程です。2階へと進むと、教育・啓蒙のスペースがあります。そこには、星座のようにきらめく形でウイスキーの蒸留箇所がいくつもあって、スコットランドの場所が描かれています。また、ラウンジ、奥にはブレンディングルームもあって、いろんなウイスキーがあることを知ることができ、どのように理解するかが学ぶことができます。こちらはシガールーム。もちろんウイスキーの鑑賞の仕方を覚えた後は、味わうことができます。

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これは、1910年のJohnnie Walkerのラベルです。この斜めの角度を、そのままフロアのデザインに採用しました。昔の広告が、そのまま壁紙やランプシェイドにも使っています。やはり新しいものも必要だということ、また高くても上質な味を求める方たちがいますので、中身は同じで、ラベルだけを変更しました。

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最近、日本料亭、ウイスキーバーもデザインしました。それが、懐石料理の「よしゆき」です。懐石料理は、寺院からはじまったということで、寺院をモチーフにした天井をデザインしました。ウイスキーバーは、折り紙フラワーがモチーフです。本棚は木でつくりました。また、全体のブランディングも担当しています。

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次に、アートやデザイン、建築などさまざまな要素が入っている、私の大好きなプロジェクトを紹介します。ショッピングモールに、高価な時計を扱うブランド「HUBLOT」の10日間だけのショップを設計しました。しかし、ショッピングモールは日中営業しているため、改装作業ができるのは夜中だけ。ということで、できあがった作品がこちらです。3万4千の黒い石のようなものがつり下げられています。実は、これ、かびなんです。設営時は、二晩はまるまる徹夜でした(笑)。

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最後に、ぜひみなさんにお伝えしたいことがあります。今は技術が進化していいて、世界中のものがインターネットで簡単に購入することができるようになっています。わざわざ、お店に足を運び必要すらなくなっている。だけど、本当の体験、本当の感動は物理的空間にあります。だから、きちんと身を運ぶことを大切にしてほしいと思っています。それは、デザインをする上でも良い経験になると思います。ありがとうございました。